Column
投資信託の基準価額の決まり方とは?価格変動の仕組みを解説
投資信託の基準価額の決まり方と変動の仕組み
投資信託を購入・運用する際、基準価額の決まり方を正しく理解することは非常に重要です。基準価額の計算方法や変動の仕組みを知らないまま投資を始めると、数字だけを見て「高い」「安い」など誤った判断をしてしまう恐れがあります。
本記事では、投資信託の基準価額が決定される基本的な仕組みや、市場の動きが与える影響について詳しく解説します。また、投資初心者が陥りがちな「基準価額が低いから割安である」という誤解を紐解き、基準価額の高さだけで投資信託の価値的な割安・割高を判断できない理由についても説明します。
投資信託の仕組みに関する本質的な知識を身に付けることで、日々の価格変動に惑わされることなく、自分にとって適切な運用方針を維持できるようになります。これから資産運用を本格的に始める方や、手持ちの投資信託の値動きに疑問を持っている方は、ぜひ本記事の内容を冷静な投資の判断材料としてお役立てください。
投資信託の知識を学ぶならOPENBOOKもお役立てください
OPENBOOKは、資産形成に関する本質的な知識を無料で提供しているWebメディアです。銀行・アセットマネジメント会社・ネット証券と、さまざまな立場で15年間金融業界を経験してきた代表が、業界内部からの視点で解説を行っています。
インターネット上には投資に関する情報が数多く存在しますが、専門用語が多くて理解が難しかったり、事実と異なる二次情報が混ざっていたりすることも少なくありません。OPENBOOKは、このような金融業界の情報のブラックボックス化という構造的な課題に正面から向き合うために誕生しました。どこにでもある一般論ではなく、「なぜこの仕組みになっているのか」という本質を丁寧に解説することで、自己流では得られない知識が身に付きます。
OPENBOOKは、読者自身が自分の身を守りながら冷静な投資判断を行うための土台となる知識の提供に徹しています。これから資産運用を始めようと考えている方や、既存の金融情報に疑問を感じている方は、ぜひご活用ください。
投資信託の基準価額の仕組みと計算方法
投資信託の基準価額とは、その投資信託の現在の価値を示す値段のことです。通常、投資信託が新しく運用を開始する日の基準価額は1口当たり1円、あるいは1万口当たり1万円からスタートし、その後の運用成績によって日々変動していくことになります。
基準価額は、投資信託(ファンド)の資産全体の価値を表す「純資産総額」を、発行されている総口数で割ることで算出されます。純資産総額は、組み入れられている株式や債券などをその日の時価で評価して合計し、そこから運用に必要な費用を差し引いて計算されます。
この諸経費には、運用会社や受託会社などに支払われる信託報酬などが含まれています。信託報酬はあらかじめ年率で定められていますが、実際には日割り計算されて毎日純資産総額から自動的に差し引かれています。つまり、投資家が日々確認する基準価額は、すでに運用にかかる日々のコストが引かれた後の価値を示しているということです。
このように、基準価額は保有資産の時価評価額と日々の運用コスト、そして投資家全体の総口数という複数の要素が組み合わさって毎日算出される仕組みとなっています。
市場の動きが基準価額に与える影響と主な変動要因
投資信託の基準価額は、1日に1回、基準となる時間が到来した段階で算出されます。この基準価額が前日と比べて上下する背景には、いくつかの変動要因が存在します。
組み入れ資産の価格変動
最も大きな変動要因となるのが、投資信託に組み入れられている株式や債券などの価格変動です。株式を中心に運用する投資信託であれば、組み入れている企業の株価が市場で上昇すれば純資産総額が増加し、結果として基準価額も上昇します。反対に、株式市場全体が下落傾向にある場合は、基準価額も下落しやすくなります。債券を中心に運用する投資信託の場合も同様に、金利の動きに伴う債券価格の変動が基準価額に影響を与えます。
為替相場の変動による影響
海外の資産に投資する投資信託の場合は、為替相場の変動も極めて重要な要因となります。投資先の外国資産の価格が現地通貨建てで変化していなくても、円安になれば円換算した際の評価額が上昇するため、基準価額はプラスに働きます。反対に円高になれば、円換算の評価額が減少して基準価額が下落します。為替の影響を抑える仕組みを導入している投資信託もありますが、基本的には為替の動きから大きな影響を受けます。
分配金の支払いによる減少
また、決算期に分配金が支払われることも基準価額の変動要因の一つです。分配金は投資信託の純資産総額から支払われるため、分配金が出た当日の基準価額は、支払われた金額の分だけ物理的に下落することになります。これは運用成績の悪化を意味するものではありません。
基準価額の高さだけで投資信託の割安・割高を判断できない理由
投資信託を選ぶ際、基準価額の数値だけを見て「この投資信託は基準価額が低いから割安だ」「こちらは基準価額が高いから割高だ」と判断してしまう初心者は少なくありません。しかし、基準価額の高さだけで投資信託の割安・割高を判断することはできません。
運用期間の違いによる影響
基準価額の差を生む大きな理由の一つが、投資信託の運用期間の長さです。基準価額は通常1万円からスタートするため、長年にわたって運用が続けられ、順調に利益を積み重ねてきた投資信託ほど、基準価額は数万円といった高い数値になります。反対に、設定されてからまだ日が浅い投資信託は、スタート時点の1万円に近い数値にとどまります。この数値の差は単なる運用期間の違いや過去の蓄積を表しているにすぎず、現在の投資価値としての割高や割安を示すものではありません。
分配方針の違いによる影響
また、分配金の支払い方針も基準価額の数値に影響を与えます。利益が出るたびに定期的に分配金を支払う投資信託は、その都度純資産総額が減るため、基準価額は上がりにくくなります。一方で、利益を分配金として支払わずに再び投資に回す方針の投資信託は、利益が雪だるま式に蓄積されるため、基準価額は上昇しやすくなります。
このように、基準価額は運用期間の長さや分配方針といった投資信託ごとの設計によって大きく異なります。そのため、基準価額の絶対的な数値を他の投資信託と比較して割安かどうかを判断するのではなく、どのような要因でその数値になっているのかという背景を理解することが重要です。
投資信託の仕組みなど基礎知識を解説するOPENBOOK
OPENBOOKでは、資産運用に関して初心者でもわかりやすい解説を提供しています。中立的な立場から、投資判断の材料となる情報を日々発信しています。動画も定期的に配信しているので、より詳しく学びたい方はご覧ください。
【Q&A】投資信託の基準価額の決まり方についての解説
- 投資信託の基準価額はどのように計算されますか?
- 投資信託(ファンド)が保有する株式や債券などの資産を時価評価した「純資産総額」を、投資家全体が保有する「総口数」で割り算して計算されます。この計算の過程で、信託報酬など運用にかかる日々のコストが自動的に差し引かれています。
- 基準価額が前日と比べて変動するのはなぜですか?
- 投資信託に組み入れている資産の価格変動や、海外資産の場合は為替相場の動きが主な要因です。また、決算期に分配金が支払われた場合も、純資産総額からその金額が引かれるため基準価額は下落します。
- 基準価額が低い投資信託は割安ということですか?
- 基準価額の低さは投資価値の割安さを意味しません。基準価額は運用開始からの期間の長さや、分配金を支払うか再投資するかという方針によって大きく異なるため、数値だけで判断することはできません。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買や投資判断を勧誘・推奨するものではありません。制度の内容は変更される場合があるため、最新情報は公的機関等でご確認ください。
資産運用・投資信託・NISA・iDeCoに関するコラム
- 旧NISAの非課税枠はいつ売る?期間終了に向けた考え方
- 金融リテラシーを身につけるメリットとは?具体的な勉強方法を解説
- 投資信託と高配当株投資はどっちがいい?メリットや特徴を比較
- こどもNISAはいつから開始される?概要やジュニアNISAとの違い
- 投資信託で利益が出たら税金はどうなる?確定申告の基本を解説
- iDeCoの手数料負けとは?原因と口座・商品選びのポイント
- 資産運用の勉強に役立つサイトの選び方!無料学習コンテンツの活用法
- 投資信託の基準価額の決まり方とは?価格変動の仕組みを解説
- いつが適切?投資信託を売却するタイミングと一部解約の考え方
- 新NISAの対象商品の要件は?つみたて投資枠と成長投資枠の違い
OPENBOOKが基準価額の決まり方など投資信託の基本を解説
| 社名 | 株式会社OPENBOOK |
|---|---|
| URL | https://openbookjp.com |